禁煙外来

「禁煙しよう」と誰もが一度は考えます。
しかしニコチンに対する「心理的依存」とイライラ、頭痛などの禁断症状「ニコチン依存」により、禁煙を実行し成功に導くことはかなり難しいことです。

当院は2006年4月より、保険診療で禁煙治療を行える医療施設に認定されています。
「禁煙外来」では、患者さんの身体・精神面をサポートし禁煙に導くお手伝いをしています。

以下の条件を満たす患者さんが禁煙治療の保険適応となります。

1）外来患者さんであること（狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の方は禁忌）
2）ニコチン依存症についての簡単なスクリーニングテスト（ＴＤＳ）の結果が5点以上で、
ニコチン依存症と診断された患者さん
3）35歳以上の方では1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上であること
4）直ちに禁煙を希望する患者さん
5）禁煙治療の説明を受け文書で同意された患者さん
6）過去1年以内に保険を使った禁煙外来治療を受けていないこと

禁煙外来での治療のスケジュールを示します。

初診時の問診では、治療法の説明とニコチン依存度、喫煙の状況、禁煙の関心度などをチェックします。
続いて呼気中の一酸化炭素濃度を測定し、禁煙開始日を決定します。「禁煙契約書」に自筆でサインをした後、次回診察日を決定し、治療のための禁煙補助薬のニコチネルTTS30もしくはチャンピックスが2週間分処方されます。

ニコチネルTTSはニコチン含有量により3種類の大きさがあり、1日1枚貼るだけです。皮膚のかぶれを防ぐため場所（腕、腹部、腰背部など）を変えて貼ります。
チャンピックスは、ニコチンを含まず脳内のニコチン受容体に作用して禁煙に導く内服薬です。

[ニコチンパッチ：ニコチネルTTS]

禁煙開始～4週間まで・・ニコチネルTTS30

4週間 ～ 6週間まで・・ニコチネルTTS20

6週間 ～ 8週間まで・・ニコチネルTTS10

[バレニクリン：チャンピックス]

1日 ～ 3日・・チャンピックス0.5mg　1日1回夕食後

4日 ～ 7日・・チャンピックス0.5mg　1日2回朝夕食後

8日目以降（禁煙開始）～12週目（卒煙）
チャンピックス1.0mg　1日2回朝夕食後

ニコチネルTTSは8週間貼付、チャンピックスは12週間服用し、治療が終了します。
12週目の再診が最終回、治療終了です。
毎回問診と一酸化炭素濃度の測定を行い、禁煙に成功していれば、そのまま禁煙を継続するためのアドバイスをします。

禁煙外来を5回すべて受診した患者さんの1年禁煙継続率は45.7％、
途中で治療を辞めた患者さんを含めても32.6％の患者さんが禁煙に成功したという統計結果が出ています。
「禁煙しよう」と決めた方は、一度禁煙治療にチャレンジしてみてはいかがですか。